#1サンゴの役割

沖縄の海の大きな魅力は、色とりどりの魚や珍しい生き物たち。
サンゴはその魚や生き物に住みかや隠れ場所を提供し、また食べ物となって、大きな生態系を築いています。
サンゴ礁は、海洋面積全体の0.2%以下を占めるのみと言われていますが、海に生きる生物種の25%以上がサンゴ礁に頼って生活しているのです。
それゆえ、サンゴは「海の熱帯林」とも呼ばれています。
サンゴ礁は、生物多様性の保全上、特に重要な生態系であると言えます。
また、私たち人間にとって、食料となる海産物をもたらしてくれたり、防波堤の役割も果たしてくれる存在です。

#2サンゴ礁とサンゴ

サンゴ礁もサンゴも同じ意味だと思っている人が多いのですが、正確には、サンゴ礁は地形、サンゴは生き物を指す言葉です。
サンゴ礁とは、サンゴなどの生き物が作り出す地形を指します。
成長していく造礁サンゴや、石灰藻、有孔虫、貝など殻を作る生き物たちの死骸が降り積もった地形も含みます。
その形状から、裾礁、堡礁、環礁などに分類されます。いっぽう、単に「サンゴ」と言えば、生き物を指します。
造礁サンゴはサンゴ礁を作るサンゴで、おもに石灰質の骨格を持つ六放サンゴ類イシサンゴの仲間のことです。

#3サンゴの種類

造礁サンゴの種類は、110属600種以上と言われ、日本で見られるのはそのうちの約400種です。
沖縄をはじめ、九州、四国、本州太平洋でも見られますが、北へ行くほど種類は少なくなります。
四国や本州で見られるサンゴは、サンゴ礁とは言わずにサンゴ群集と呼びます。これは、サンゴの死骸など石灰岩の上にサンゴが生息しているのではなく、火成岩などの上にサンゴが生息しているからです。

#4サンゴは動物?植物?

サンゴはクラゲやイソギンチャクと同じ刺胞動物の仲間です。
サンゴと一口に言っても、宝石サンゴやソフトコーラルやヤギなどたくさんのグループがあります。

【サンゴ群体・個体】
私たちが、ふだん見ているのはサンゴの群体です。たくさんのサンゴが住んでいるマンションと思ってください。
枝状、テーブル状、塊状、葉状など、種類ごとに特徴があります。サンゴ群体を作っている1つの単位がサンゴ個体で、これは骨格を指します。その個体の中に入っているのが生き物であるサンゴ=ポリプです。

【ポリプ】
ポリプの体の作りは、親戚であるイソギンチャクとよく似ています。
多くのサンゴは、昼間はポリプが骨格の中に入っていますが、夜になると出てきます。ポリプにはたくさんの触手が付いていて、これで小さなプランクトンを捕まえて食べています。

【褐虫藻(植物プランクトン)】
サンゴ類の大きな特徴は、体内に植物プランクトンの褐虫藻を共生させていることです。サンゴは動物でありながら、体内に光合成を行う動物がいるのです。
褐虫藻は安全なポリプの体内で暮らし、ポリプの出す二酸化炭素を使って光合成をして、生産された酸素や有機物をサンゴに与えています。
サンゴと褐虫藻は、とても大切な共生関係にあるのです。

#5サンゴの一生

サンゴは、無性生殖と有性生殖という2つの方法で成長します。
無性生殖とは、いわゆるクローン分裂で、分裂や発芽によって、自分と同じ遺伝子のクローンをどんどん増やしていきます。しかし、同じ遺伝子ばかりだと環境が劇的に変化したときに全滅する可能性があるので、別の遺伝子も組み合わせるモデルチェンジをします。それが有性生殖(いわゆる産卵)です。
沖縄に多いミドリイシの仲間は、初夏(5~6月)の大潮前後の夜、一斉産卵することで知られています。暗い海中でサンゴの卵がゆらゆら揺れながら海面へ浮いていく光景はとても神秘的です。

サンゴの白化現象

サンゴと褐虫藻は、極端に高い海水温でストレスを感じます。
褐虫藻がサンゴ体内で縮小あるいは透明になり、サンゴの“骨格”の炭酸カルシウムの白色が透けて見えるようになることを白化といいます。
白化したサンゴはしばらく生きられますが、この状態が長い間続くと徐々に弱って死んでしまいます。白化現象は世界のサンゴ礁で最大の問題になりつつあります。

オニヒトデによる食害

オニヒトデはサンゴを主食とするヒトデで、過去には大発生したことでサンゴに大きな被害を与えました。
海の汚染/富栄養化などが大発生の原因だと考えられています。恩納村漁業協同組合では定期的に海域調査を行い、オニヒトデが一定数を超えないように管理しています。

開発・レジャーによる破壊

サンゴ礁の自然を楽しんでいるはずの私たちが、直接または、間接的にサンゴに害を与えていることもあります。
レジャー施設の開発やダイビングのアンカリングなど、マナーの欠如や知識不足による破壊も、無視できないものになっています。

赤土汚染

沖縄の土壌は、色が赤褐色なため赤土と呼ばれていて、粒がとても細かいことが特徴です。この土壌は、開発や農牧畜業の影響で露出すると、亜熱帯の激しい雨によってどんどん流出してしまいます。
川を伝って海に流れこんだ赤土が、サンゴの上に降り積もり、光合成を阻害します。恩納村では、沈砂池の活用やマルチング、グリーンベルト活動といった赤土流出防止対策にも力を入れています。

正直なところ……
「サンゴの海から離れた場所に住んでいる自分には関係がない」という気持ちの人もいるかもしれません。
しかし、サンゴが直面している問題は、現場だけで解決できるものではありません。サンゴの白化などの影響が出ている地球温暖化による海水温の上昇を止めるには、住んでいる場所に関わらず、皆が協力しあう必要のあるものです。
普段の生活でもできることをぜひ実践していきましょう。

例えば

  • 日焼け止めを、天然成分由来のものに変える
  • 海の保全活動 海へゴミを捨てない 海のゴミ拾いをする 等